なみだ目(流涙症)

ホーム » なみだ目(流涙症)

涙は悲しいときに分泌されるわけではなく、実は常に分泌されています。

涙は上まぶたの外側にあたる涙腺という組織から分泌され、目の表面を潤したのち、目頭の上下にある涙点という小さな穴から涙小管という細い管を通って涙囊(袋状の涙の貯水タンクのようなもの)を経由して、最後に鼻涙管という管から鼻の奥(鼻腔)に抜けていきます。涙点から鼻腔までの涙の通り道のことを涙道と呼び、これらに関する目の病気を総称して涙道疾患といいます。

なみだ目(流涙症)

この涙道のどこかが詰まってしまうと、涙がうまく排出されずに溢れ出てくるようになります。それ以外にも逆さまつげや結膜炎、ドライアイなど外からの刺激によっても同様の症状が起きます。この状態を一般的にはなみだ目といい、医学的には流涙症といいます。

この記事では、なみだ目(流涙症)になる原因やなみだ目に関する病気、治療法について解説します。

目次

涙流症の原因

流涙症の原因は、「分泌性流涙」と「導涙性流涙」の2つに大別することができます。

分泌性流涙

分泌性流涙は、外から刺激によって起こる流涙症です。
逆さまつげや結膜炎や角膜炎、ドライアイなどが原因となって過剰に涙が分泌される状態です。

導涙性流涙

導涙性流涙が、涙道閉塞が原因によって起こる流涙症です。
鼻涙管閉塞症などが代表的ですが、副鼻腔炎(蓄膿症)など鼻の病気が原因となって起こることもあります。

鼻涙管閉塞症

鼻涙管閉塞とは、涙道のうち鼻涙管が詰まってしまうことによって涙をうまく排出できずに目に涙が溜まりやすくなったり、涙が溢れるようになったりします。また涙が原因となって目やにが増えたり、感染症を起こしたりする場合もあります。主に加齢に伴って鼻涙管内に老廃物が溜まることで次第に狭窄(狭くなる)したり、閉塞したりすることによるものが原因と考えられています。

鼻涙管閉塞症は先天性のものと後天性のものの2種類に分けることができます。先天性鼻涙管閉塞は生まれつき鼻涙管が狭かったり、膜が張っていたりと鼻涙管が未発達な場合に起こります。赤ちゃんの約1割程度に認められますが、90%以上は1年以内に自然治癒します。

涙囊炎

涙囊炎の多くは鼻涙管閉塞が原因となって起きます。鼻涙管閉塞症によって涙の排出がうまくできなくなってしまうと、行き場の無くなった涙は涙囊に溜まるようになります。涙に含まれる菌が原因となって涙囊内で炎症が起こると、涙や目やにが増えます。涙囊を圧迫すると膿が涙点から出てくるようになります。ひどくなると涙囊の周囲にまで炎症が広がり、皮膚が赤く腫れて痛みを自覚するようになります。

なみだ目(流涙症)の治療

涙管チューブ挿入術

涙道内視鏡という極細の内視鏡を挿入し、カメラで内部を確認しながら狭窄(狭くなっている)部分を広げたり、閉塞している部分を開通させます。その後涙管チューブを挿入し、しばらく留置します。通常涙管チューブは2ヶ月程度で抜去します。

涙囊鼻腔吻合術(DCR)

涙囊と鼻腔の間にある薄い骨を削り、涙囊と鼻腔との間に新しい涙の流れ道を作成します。

再発率が非常に低いことが特徴ですが、涙管チューブ挿入術よりも侵襲(治療に伴う身体への負担)は大きくなります。涙管チューブが適応できない場合や再発が懸念される場合などに選択されます。

この記事の監修者
院長先生の写真
医療法人七彩
理事長 本間 理加 医師
これまで大学病院に長く従事し、白内障手術をはじめとして、網膜硝子体手術、緑内障手術、眼瞼下垂、角膜移植など様々な眼科手術に豊富な執刀実績を持ちます。現在医療法人七彩の理事長として川越エリアを中心として手術に特化した眼科クリニックを2医院展開しています。

関連記事

小児眼科(斜視・弱視・子どもの近視)

小児眼科では目の病気に対する治療に加え、成長過程にある目が大人になって正常に機能するようにサポートすることを目的とします。 また、子どもの代表的な症状として斜視や弱視、子どもの近視、先天性鼻涙管閉塞症

続きを見る
上部へスクロール

川越眼科手術と瞼のクリニック
高度な眼科医療を川越の皆様に

〒350-1126 埼玉県川越市旭町1-3-64

TEL:049-246-1001